“ニュース・コラム”カテゴリーアーカイブ

なぜ? 東京電力のドタバタ

3月11日午後、東日本をマグニチュード9.0の巨大地震が襲った。日本では観測史上最悪の地震であり、また津波の高さもこれまでの想定をはるかに超えるものだった。津波で壊滅した東北地方太平洋沿岸の町の惨状をテレビで見ても恐怖を覚える。その意味では、菅内閣の対応に多少どたばたしている印象があったとしても同情できるのかもしれない。

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首相が言わなかったこと

2011年度予算を決める通常国会が始まった。冒頭、菅首相による所信表明演説が行われたが、首相が何を言ったかよりも、何を言わなかったのかが気になる。自民党の谷垣総裁だったか「都合のいいことだけ言って、都合の悪いことは言わなかった」と評したが、そこがポイントだったように思う。

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劣化する政治

普天間基地移設問題の「期限」である5月末が近づいてきた。鳩山首相は、この問題の決着(どこまでが行けば「決着」なのかという定義の問題は残っているが)をつけられなければ、退陣するのだろうか。ご本人は「体を張って」とか勇ましいことをおっしゃっているのだから、きっとアメリカの了解も得られず、地元の了解も得られなければ潔く退陣されるのだろうと思う。

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見捨てられる日本市場

第41回東京モーターショー。世界の五大自動車ショーのひとつと言うわりには、幕張の会場には大げさに言えば悲哀感さえ漂う。何といっても出品者数は2007年の246社から今回は113社へと半減した。しかも海外の自動車メーカーで出品したのはわずか3社である。

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鳩山政権の大きなリスク

鳩山政権が誕生して1カ月が過ぎた。無難なスタートを切って、支持率も60%台を確保していたが、ここに来て急に雲行きが怪しくなっている。言うまでもなく、亀井静香・金融・郵政改革担当大臣のことである。いわゆる「モラトリアム法案」はまあ何とか大事にいたらずに着地したかに見えたが、今度は日本郵政の西川善文社長を辞任に追い込み、斉藤次郎元大蔵相事務次官を後任に据えるのだという。

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民主党の長い道のり

ようやく衆議院が解散された。例によってこの解散にいろいろな名前がつけられている。私も真似してつけてみた。コメンテーターとして出演しているニッポン放送の番組で、名前を考えるように言われたからである。「伝家の宝刀、抜いてみれば竹光解散」

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リーダーの素養

麻生太郎首相の支持率が急落している。最近の世論調査では30%以下という「危険水域」に突入したものもあるそうだ。景気の悪化が日に日に目につく上に、1人当たり1万2000円の給付金で、所得制限をつけるとかつけないとか、高額所得者は辞退せよとか、わけのわからない話になっていることが大きな理由だろうと思う。

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この国の不幸

福田康夫首相が突然辞めてしまった。まるで1年前の安倍さんのようだ。2代続けての突然の辞任。しかも自分がリーダーとして「適格」であるから、衆議院を解散して、国民の信を問おう、という気概すらない。自民党内で首相のたらい回しするための辞任である。政権を2度も投げ出しておいて、また自分たちの党から選ぼうとする根性は、ある意味で見事なまでに厚かましい。

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日本の医療、閣議決定の呪縛

最近、医師が不足しているという話をしょっちゅう聞くようになった。世界的に比較するのに最もよく出てくるのがOECD(経済協力機構)のヘルス・データだ。加盟国平均が人口1000人当たりで3.1人。日本は2.0人である。日本の医師の数は24万人ぐらいだから、加盟国平均に近づこうとすれば、あと12万人も増やさねばならない。もっとも人口全体が減るから、分母が小さくなれば状況は改善する。つまりわれわれ団塊世代の年寄りが早く消えていなくなることを厚生労働省は待っているということなのだろうか。

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責任の所在

新銀行東京に400億円追加出資が決まりそうだ。返ってくる見込みがほとんどない(ひいき目に言っても、返ってくる可能性が非常に薄い)出資に税金が使われる。最初の出資分と合わせれば1400億円というから、都民一人あたりで1万1000円ぐらいの負担である。もちろん今は株券という形になっているが、その株券が紙くず同然になる日もそう遠くはないだろう。

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危ないポピュリズム

どうも民主党の小沢代表という人はよくわからないところがある。国会で焦点となっている道路特定財源となっているガソリン税などにしても、もともと民主党は「特定財源は一般財源化すべきであり、一般財源にするなら暫定税率は存在意義を失うから廃止すべきだ」という議論をしていたはずだ。それなのに、暫定税率を廃止するなら修正に賛成すると、暫定税率外しが本命というような発言をしていたからである。

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手詰まり

政府・与党がようやく日銀総裁に武藤敏郎副総裁を昇格させる人事案を国会に提示した。この人事には衆参両院の同意が必要なのだが、民主党は「財金分離論」を振りかざして反対する意向である。というよりも、そういう反対論をブチ上げてしまったので、どこでどう妥協するか悩んでいるのではなかろうか。とにかく野党が反対をすれば参議院でこの人事は止まってしまう。

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政策の優先順位

道路特定財源をめぐって国会は大荒れである。暫定税率の10年延長をどうするのかが焦点だったが、本来の特定財源のあり方をめぐる議論になったのだから、それはそれで望ましい話だと思う。ただ「道路をつくらせないのか」とか「地方では病院に行くための道路が必要だ」、「道路をつくって渋滞をなくせば環境対策になる」とかいう政府・与党の反論を聞いていると、なんだか小学校や中学校でやったあの民主主義の訓練のような討論を思い出す。屁理屈も理屈のうちかもしれないが、結構な金額の議員歳費を納税者が負担しているのに、当の議員たちがお粗末な議論を繰り返している姿を見ると、なんだか切ない。

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情報の重み

海上自衛隊のイージス艦が漁船と衝突した。事故の原因は何か、現在海上保安庁で捜査中だが、いつものことながら自衛隊、防衛省側の初動の遅れや情報開示の鈍さなどが目立つ結果となっている。世界最新鋭のイージス艦であるから、前方に漁船団がいたことは早くから知っていたはず。相手が勝手に避けるだろうと思いこんで自動操船で直進していたなどと聞くと、早朝の幹線道路で信号を無視して突っ走る無法ダンプを思い浮かべてしまう。それも、ダンプと軽自動車どころではない、ダンプと乳母車ぐらいの違いがあるのだから、ぶつかったら漁船のほうはひとたまりもない。

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失言二題

鳩山法務大臣の見識のなさは最早誰の目にも明らかである。「友人の友人がアルカイダ」という発言とか、法務大臣が判を押さなくても死刑が「自動的に」執行されるような制度にしたらいいとか、自分の立場や制度の成り立ちにあまりにも無頓着というより無知な発言を聞くと、およそ大臣の任にあらず、と見る他ない。

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「変えない」から「買えない」

FRB(米連邦準備委員会)のアラン・グリーンスパン前議長が書いた回想録、『波乱の時代』。友人の日銀マンが「生々しくて非常に面白い」と勧めてくれたので、読んでみた。日経新聞の「私の履歴書」でさわりを読んだ方も多いだろうと想像する。

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衰退する日本

内閣府が12月26日に発表した国民経済計算で、日本の一人当たりGDP(国内総生産)がOECD(経済協力開発機構)の中で18位に転落した。2004年は12位、2005年は15位だった。IMF(国際通貨基金)やCIA(米中央情報局)あるいはペンシルベニア大学のランキングでも、それぞれ20位、16位、22位という数字が発表されている。順位が異なるのは、それぞれのちょっと異なる購買力平価で換算されているためだが、いずれにしても日本の実力はこれぐらいであるということだろう。さらに世界経済に占めるウェイトでは、アメリカが27.2%、EUが28.3%であるのに対し、日本は9.1%ととうとう10%を切ってしまった。

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政治とは共感である

福田さんが小泉内閣の官房長官だったとき、慇懃無礼というか木で鼻をくくったような会見の様子に不快感があった。目の前にいる記者の後ろにいる国民に向かって説明しているという事実を忘れているとしか思えないような態度だった。政治家は選ばれて国民を代表しているのであって、国民の上に君臨しているわけではない。民主主義で最も基本的なこの原則を、福田さんは知らないのか、忘れているのか、どちらなのだろうと思ったものだ。

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様子見型サボタージュ

医療の世界では「立ち去り型サボタージュ」という言葉が定着しているようだ。医師や看護師などの医療関係者が理想とは違いすぎる現実とあまりの激務に燃え尽きて、病院から立ち去り、その結果、医療が壊れてしまうことを言う。虎ノ門病院の小松秀樹副院長が『医療崩壊』という本の中で使った言葉だったと記憶する。その言葉を借りれば、いまの霞ヶ関は「様子見型サボタージュ」とでも呼べそうな気がする。

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権力偏執症

12月2日、ロシア下院の選挙が行われた。結果は予想どおり、プーチン与党統一ロシアの圧勝である。憲法改正や大統領弾劾なども可能になる3分の2の議席(定数450議席だから300議席以上)を統一ロシアが確保できるかどうかが焦点だったが、このハードルも難なく越えた。自由民主党や公正ロシアといった「プーチン翼賛政党」を加えれば、約390議席。これでプーチンはあと最低4年間は「実質最高権力者」でいることが確定した。

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本当に自由がいいのか?

11月7日、東京地方裁判所は「混合診療を原則的に禁止」している国の政策には法律的根拠がないとする判決を下した。混合診療とは、保険が適用できる診療行為と保険外の診療を一緒に行うことである。これまで厚生労働省は、混合診療をした場合、保険が適用される部分の診療も全額自己負担とするという方針を打ち出して、混合診療を禁止してきた。今回の地裁判決によって、その禁止に根拠がないとされたわけで、いちおう厚生労働省が控訴したとはいえ、混合診療の解禁へ向かって日本の医療政策が大きく舵を切るのかどうかが注目されている。

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過去への責任

済んでしまったことを水に流せる場合と流せない場合がある。それを分けるのは、済んでしまったことがどの程度重要であるかということ(つまりは直接、間接に被害を受けた人がどの程度怒っているか)と、その行為が行われたときにその行為を取り締まる法律などがあったかどうかにかかっている。秘書が、部下が、パートが、取引先が、と責任逃れをする政治家や役人、経営者は見苦しいが、実際のところ「国家」という機関も過去の責任を認めるのが非常に苦手だ。

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政界ビッグバンの期待

民主党が大連立構想を拒否したところまで先週のこのコラムで書いたが、その後もまた民主党・小沢代表の辞意表明、慰留、撤回と事態はめまぐるしく動いた。このドタバタ劇で民主党に対する失望感が広がって、自民党のなかにはいま解散総選挙をすれば民主党に勝てるという意見があるようだ。伊吹自民党幹事長は、「予算を通さなければならないし、サブプライム問題で株価がおかしくなりかかっているときに政治空白はつくれない」として早期解散説を否定している。ただ、政治の世界は一寸先は闇(安倍総理が政権を投げ出したことで我々も実感したはずだ)、何が起こるかわからない。

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自民党の無原則

インド洋での給油継続をめざす政府が補給支援法を閣議決定した前後から、急に国益だとか国政の停滞だとかいう言葉が飛び交うようになった。後方支援の話だというのに、何だかキナ臭いと思ったら、「大連立」という超大玉の打ち上げ花火が上がって、びっくりである。民主党が拒否してやれやれだが、もしまかり間違って民主党が受けたりしたら、日本の政治はお先真っ暗になると思って、福田さんと小沢さんの党首会談を注目していた。

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気になる米印原子力協力

このコラムでもたびたび触れてきたインドとアメリカの民生用原子力協力協定は一進一退、予断が許されない状況になっている。アメリカ側が国内法の制約を昨年12月に早々と乗り切ったのに対し、インド側の政治状況が一筋縄ではいかないからである。簡単に言うと、マンモハン・シン政権に閣外協力をしている左翼グループが、アメリカに協力を求めることは「核開発における主権を制約される恐れがある」ということで反対しているのだ。

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「明快答弁」と「慎重答弁」

前号で「日本の政治がすっかり面白くなくなった」と書いた。たしかに福田康夫首相の答弁は、なるほどと思わせてくれることがほとんどない。「まあいろいろあるから」というのでは、まるでご近所の町内会長さんみたいだ。そういえば、町内会長さんというのはまさに調整役。自分のビジョンというより物事が丸く収まるようにするのが役目である。しかし、一国の首相が町内会長さんと同じというのではいかにも情けないではないか。

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「皇帝プーチン」いよいよ

日本の政治がすっかり面白くなくなったところで、俄然、面白くなってきたのがロシアの政治というかプーチン大統領の身の振り方。来年3月がロシアの大統領選でプーチン大統領の任期は5月まで。3選は憲法で禁止されているから憲法を変えないかぎりプーチン大統領は立候補できない。しかしまだ50代と若いプーチン大統領は、当然、政治の表舞台から退く気はない。

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リーダーの資質

福田新首相が国会で所信表明演説を行った。評価はいろいろあるのだろうが、全体的に印象が薄いと言っては礼を失することになるだろうか。それがなぜか考えてみた。

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福田リスク

日本を取り巻くいろいろなリスクがある。最近、そんなテーマで講演をすることが多い。サブプライムローン・ショック、中国バブル、ロシア・リスク、エネルギー・リスクといったことを話題にする。しかしふと足元を見ると、これまでにはなかったリスクが日本自身にある。それが日曜日に自民党の議員総会で選出された福田さんという「リスク」である。

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保守のDNA、突然変異のDNA

日本の政治史上、こんなに面白いドタバタ劇は初めてではないだろうか。参議院選で屈辱的敗北を喫してなお政権の座にしがみついた安倍晋三首相が、テロ特措法延長に「職を賭す」と言ったその舌の根も乾かぬうちに、「職を辞する」と言って、内閣改造後初めて代表質問を受ける当日に政権を投げ出してしまった。そして後継者として絶対優位と自他共に認めていた麻生太郎幹事長に対して、自民党内ではいきなり麻生包囲網ができてしまう。一夜にして形勢逆転。小泉純一郎前首相のときに官房長官を務めていた福田康夫氏が、各派閥の支持を受けてたちまち優位に立ったのである。福田さんのほうが選挙に勝てると思う神経もいかがなものかという気もするが、小泉首相のときには蟄居していた派閥がまたぞろ復活しているようでおかしな話だ。

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安倍首相の「大見得」

それにしても思い切った発言をしたものだ。インド洋での自衛艦による給油活動継続は国際公約であるから「職を賭して」法律を通すよう努力する。それができなければ「職責にしがみつくことはしない」と安倍晋三首相は語った。記者から総辞職をするのかと問われてそう答えたのだから、よもや「私を取るか、小沢さんを取るか」と問いかけて、大敗北のすえに「政権選択選挙ではない」と周辺に言わせるような無様なことはするまい。

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遠藤農水相辞任と官邸の責任

農水相は官邸から見て「鬼門」の方向にあるのだろうか。疑惑の事務所費を「何とか還元水」としか説明できず、結局自殺してしまった松岡利勝農水相、絆創膏と事務所費の処理で参院選大敗の責任を取らされた赤城徳彦農水相、そして自分が組合長を務める農業共済組合で国の補助金を不正受給していた遠藤武彦農水相。3人も立て続けに職責を全うできない事態になってしまったことに農水省の職員も呆然としているだろう。

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小さな政府と医療費

2005年度の国民医療費の総額が33兆1289億円になったと厚生労働省が発表した。前年に比べ1兆円強増えて過去最高。3年連続で過去最高を更新しているのだそうだ。前年度比で3.2%増というから当然経済成長率を上回っている。この33兆円を誰が負担したか。国や地方の公費支出が12兆円、保険組合が払ったのが16兆円(もとは私たちが払った保険料だ)、残りは窓口で払う個人負担である。

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低金利・日本の歪み

アメリカのサブプライムローンの破綻によって世界的に株価が大暴落をした。FRB (米連邦準備理事会)が急遽、公定歩合を0.5ポイント引き下げたことで、ニューヨー クの株価が週末に戻したから、週明けの日本市場も下げ止まるのかもしれない(ただ 外人売りが進んで個人株主もそれにつられて売り急ぐようなことになれば、さらに値 を下げる可能性もある)。

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800万票の行方

旧通産省出身の評論家、堺屋太一氏の命名になる「団塊の世代」は、1947年から1949 年の3年間に生まれた人々のことだ(定義には多少のぶれがあるがそれはそう大きな 問題ではないので、ここではこの3年間ということにする)。この年代の人々の数は、 出生数にしておよそ800万人。このところの1年間の出生数が100万人ぐらいだから、 現在の赤ちゃんたちに比べると約2.7倍にもなる大所帯である。

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議会のねじれ、保革のねじれ

参議院選挙に大敗したというのに安倍首相はすぐさま続投宣言。赤城農相を更迭し、 先の国会で改正したばかりの政治資金規正法の見直しを指示した。「事務が繁雑にな りすぎる」ということで、資金管理団体の5万円以上の支出にしか領収書添付を義務 づけなかったのに、今度は資金管理団体だけでなくすべての政治団体を対象に人件費 を除く1円以上のあらゆる支出に領収書の添付を義務づける方向だという。「それが 民意だ」と中川幹事長は言うが、選挙に負けるまでそれが民意であることに気づかな かった自民党や公明党、官邸の感度の悪さに呆れてしまう。

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総理の品格

それにしても、今週月曜日の松岡利勝農相の自殺には驚いた。あれだけ国会で追及さ れても「法に則って適正に処理している」としか言わない農相は、鉄面皮としかいい ようがないと思っていたからである。自殺の可能性があるなどとはまったく考えもし なかった。

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民主党の覚悟

なんとか還元水で有名な松岡利勝農水相。不透明な経費について相変わらず「法律に 則って適正に処理している」としか言わない。安倍晋三首相も「適正に処理している のだから適正だ」という意味のことしか言わない。それどころか、攻撃こそ最大の防 御というつもりなのか、小沢一郎民主党代表の不動産取得問題で逆襲をかける始末。 開き直りというか、およそ国の指導者としての品格が感じられない対応には少々うん ざりだ。

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フランスの賭け

5月6日に行われたフランス大統領選挙決選投票。投票率84%という数字に表れた高い 関心の中、保守系・国民運動連合のニコラ・サルコジ党首が社会党のセゴレーヌ・ロ ワイヤル元環境相を破って当選した。サルコジ氏の得票率は53%、ロワイヤル氏が47% と、事前のサルコジ優勢という予想通りの結果となった。

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「核のゴミ」出口なし

先日の統一地方選で、注目されていた自治体の一つは高知県東洋町だった。今年初め、 田嶋裕起町長(当時)が、高レベル放射性廃棄物最終処分場候補地」として原子力発 電環境整備機構に応募した。これを知った橋本大二郎県知事や周辺市町村、そして東 洋町民からも反対の声が上がった。このため田嶋町長は辞任し、「住民の意思を問う」 として改めて立候補していた。前町長の信認投票という形になったのだが、結果は、 反対派が擁立した沢山保太郎氏が圧勝した。投票率は89%を超え、沢山氏の70%の票 を獲得した。そして、新町長は原子力発電環境整備機構への応募を取り下げた。

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銃と民主主義

銃による衝撃的な犯罪が続いている。アメリカではバージニア工科大学で韓国人の学 生が32人もの学生を射殺した。またNASA(連邦航空宇宙局)でも上司を人質にとった 上で射殺した。いずれの場合も犯人は自殺している。一方、日本では暴力団員が選挙 運動中の伊藤一長・長崎市長を射殺した。また東京町田ではやはり暴力団員がパトカー などに発砲した上で自宅に立てこもり、自殺を図った。

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二つの最高裁判決

最近、ちょっと興味を引く最高裁の判決が出た。両方とも大企業が敗れて消費者側が 勝った裁判である。ひとつは語学学校NOVAの中途解約時の返済金をめぐる裁判。もう ひとつはあいおい損保の車の盗難保険金支払い拒否をめぐる裁判である。最高裁が消 費者の味方になったのか、それとも両方とも今評判の悪い会社や業界だから、ちょっ とお灸をすえたということなのかはよくわからない。ただ諸手を挙げて喜べないとこ ろもある。

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縮む日本

車が売れないということは知っていても、2006年度の新車登録台数(軽自動車を除く) が前年度比8.3%減の359万台と聞くと、改めてびっくりする。前年度比マイナス成長 になるのはこれで4年連続。1990年度が過去のピークだそうだが、その年には何と590 万台も売れた。ざっと40%近く減っている計算だ。トヨタ自動車が世界一になるとか いうニュースに浮かれている間に、足元がどんどん崩れているようだ。

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人材バンクなどいらない

公務員改革の一環としての人材バンク。安倍晋三総理の肝いりとあって渡辺喜美行革 担当大臣も張り切りすぎたのかどうか、自民党内でも改革案をめぐってぎくしゃくし ているようだ。各省庁による押しつけ的斡旋をさせない代わりに、人材バンクで一元 的に職を紹介するのだという。野党は、現在の2年という待機期間もなくなって、む しろ天下りを合法化する「天下りバンク」だと批判する。官僚の天下りを目の敵にす るような論調にはやや違和感を感じるものの、この人材バンクがなぜ改革なのかがよ くわからない。

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医療にミスはつきもの

厚生労働省が、出産に伴う医療事故の被害者を救済する制度をつくることを検討して いるそうだ。この制度の特徴は、医師に過失があるかどうかに関わりなく障害をもっ て生まれた乳児やその親に払われるというものである。現在も医師賠償責任保険があ るが、補償金が支払われるためには医師の過失が証明されなければならない。裁判で 争うことになると時間もかかるし、感情的な対立も生まれる。さらにミスをめぐって 双方が争うことになると、医療側にはミスを隠そうとする動機が生まれることになる。 結果的に事故の再発を防ぐという本来の目的が忘れられることにもつながる。

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医療費カットが本当に正しい?

安倍政権が発足した。この内閣の課題はいろいろあると思うが、これからの日本がどういう日本になるのか、その明確なビジョンと政策を早く打ち出すことだ。国民の多くは小泉改革を基本的に支持してきたと思う。しかし国民生活にとってとくに重要な医療や福祉については、根本的な議論はなされていないと考えるからだ。

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政治家・民間人・官僚

小泉内閣発足以来、ただ1人ずっと閣僚を務めてきた竹中平蔵氏が、小泉内閣総辞職 と共に参議院議員も辞職すると発表した。これまでにも民間人から閣僚になった例は たくさんある。官僚出身ではない「純粋な」民間人は決して多くはないが、竹中さん が初めてというわけでもない。もともと憲法で、内閣総理大臣が大臣を選任するとき 「過半数は国会議員の中から選ばれなければならない」と規定されているだけだから、 総理大臣がその気になれば、民間の有能な人をいくらでも登用できるはずだ。

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言葉の耐えられない軽さ

自民党総裁選は来週20日、投開票が行われる。党内では、安倍官房長官が圧倒的支持 を集めている。またある世論調査によれば一般国民においても支持率が高い。麻生外 務大臣や谷垣財務大臣といった対抗馬は残念ながらまったく勝負にならないまま終わ る。そのせいかどうか、総裁候補者の論戦もあまり盛り上がらないままなのだが、ど うも気になるのが、安倍さんが何を言っているのかよくわからないことである。

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安倍さんにとっての「国」

自民党の総裁候補が出そろったところで、各候補者の持論を聞く機会が増えた。麻生 さんと安倍さんはよく似ている。靖国神社不参拝、消費税率の引き上げを主張する谷 垣さんが安倍さんとは一線を画している。それでは安倍さんは何を主張しているのか。 彼の言うことはややあいまいであることが多いのだが、戦後体制からの脱却が最も大 きなテーマであるように思える。

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「安倍首相」は何をしたいのか

自民党の次期総裁選挙。9月19日に党員投票、20日に国会議員の投票が行われ、そこ で次期総裁が決定する。現時点では安倍晋三官房長官が独走態勢。残念ながら麻生外 相、谷垣財務相との論戦も低調で、早くも主流派入りを狙って各派閥が安倍支持を表 明する始末。とても政策論争に基づく後継総裁選びにはなりそうにもない。

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ロシアの逆コース

北方領土近海で操業していた日本の漁船がロシア警備艇に追跡・拿捕された。その際、 警告射撃を受けて不幸にも漁船の乗組員が死亡した。これでもともと高くはないロシ アに対する好感度がさらに下がることになると思う。

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いまこそ靖国論争

とうとう公約どおり終戦記念日に靖国神社に参拝した小泉首相。でも小泉さんの口か ら「公約は守るべきものでしょう」という言葉を聞くとは思わなかった。30兆円を越 える国債を発行せざるをえなくなって、「公約を守らなくても大したことじゃない」 と国会で叫び、大ブーイングを浴びたのは誰だったのか。もう一つ嫌みを言わせても らえれば、終戦記念日に靖国神社に参拝するということを「公約」とする一方で、参 拝は「心の問題」だから外国がとやかく言うべきではないというのも、矛盾した話で ある。「公約」とは政治的な約束であって、心の問題ではないのだから。

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長野県民の不幸

長野県知事選、注目の田中康夫現知事が負けた。ある新聞は「『改革』6年で幕」と 書いた。田中知事は「脱ダム宣言」で、公共工事依存型の長野県経済に一石を投じて、 2000年に当選。県議会と対立して不信任を突きつけられて辞任し、再び選挙に挑戦し て勝った(いわゆる出直し選挙、その時は82万票を獲得している)。今回は任期満了 に伴う選挙だったが、かつての勢いはなく、自民党が支持する村井仁元国家公安委員 長の前にあえなく敗れ去った。票数にして実に30万票も減ったのは田中陣営にとって も理解不能かもしれない。

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「安倍首相」の危うさ

森喜朗元首相、最近はときどき「うんうん」とうなずけるコメントをする。現役だっ たころは、「有権者は寝ていてくれたほうがいい」「日本は神の国だ」「ゴルフ場に いたほうが携帯電話がつながりやすい」などなど、首を傾げるコメントが多くて、最 後のコメントなどとうとう命取りになってしまった(ちなみにこのコメントは、水産 練習船えひめ丸が米海軍原潜にぶつけられて沈んだ第一報を受け、ゴルフ場にいた森 首相が官邸にすぐに戻らなかった理由を新聞記者に問われたときのコメントである)。

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「A級を易々と」

昭和天皇が何を考えていたか、どんなことを話していたのか、その内容はいつも部分 的に漏れ伝わってくるだけだが、このほどまた資料的価値の高い富田元宮内庁長官の 日記が明らかになった。その中には、なぜ昭和天皇が靖国神社参拝を中止したかを明 らかにする、しかも肉声が聞こえてくるような生々しいメモも含まれていた。

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北朝鮮非難、各国の思惑

国連安全保障理事会は、国際社会の懸念の表明にもかかわらずミサイル発射実験を強 行した北朝鮮に対し、全会一致で非難決議を採択した。当初、日本やアメリカが目指 した制裁決議にはならなかった。中国などがめざした議長声明という「弱い」表明に もならなかった。最終的には、両者が歩み寄った形で、北朝鮮に対する非難決議を安 保理の全会一致で採択した。この外交の成果を、中国が勝ったとか、日本が勝ったと か、アメリカが「裏切った」とかいうことにはあまり意味がない。しょせん、外交で ある以上、地球上のさまざまな問題との絡みもあり、各国の思惑もある。

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ミサイルが飛んでくる

先週7月5日、北朝鮮は周辺諸国の自重を求める声を無視して7発のミサイルを発射し た。そのうち1機は射程が6,000〜10,000キロ(推定)と長く、アメリカ本土の一部ま で届くとされるテポドン2である。このテポドンの発射準備はかなり早い段階で察知 されていた。そしてアメリカや日本は、もし発射するようなことがあれば重大な結果 を招くと警告していたが、金正日はそれを無視して発射実験を行ったのである。

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少子高齢化と移民

日本の少子高齢化が急速に進んでいることが国勢調査の速報で明らかになった。昨 年10月1日時点で、65歳以上の高齢者は2682万人、総人口に占める割合は21%になっ たという。イタリアも高齢者人口が多い国(20%)だが、それを抜いて世界一だそう だ。それだけではない。15歳未満の子供人口は1740万人となり、5年前に比べて107万 人も減った。総人口に占める割合は13.6%である。子供人口がいちばん多かったの は1955年の3012万人だが、それに比べると約6割しか子供がいないということになる。

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靖国問題の視点

自民党の後継総裁争い。本命は安倍晋三氏、対抗が福田康夫氏ということだったが、 その差はますます詰まってきたようだ。朝日新聞が実施した財界人アンケートによる と、具体的に名前が挙げられた中では、安倍氏よりも福田氏を支持する人のほうが多 かったという(一般的な調査では、福田氏がじりじり追い上げているとはいえ、まだ 安倍氏の支持率が高い。たとえば朝日新聞の5月の世論調査によると、安倍氏が41%、 福田氏は29%である)。

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医師を処罰する

慈恵医大青戸病院で腹空鏡による前立腺ガン手術を受けた男性が死亡したのは2002年 のことである。この手術を執刀した医師と主治医、助手の3人が業務上過失致死で起 訴され、東京地裁は6月15日、執行猶予付きではあるが禁固2年から2年半の有罪判決 を下した。

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どうしたら平和になれるのか

米軍再編、普天間基地移設、防衛庁の省格上げ案など、日本の安全保障と基地問題が 動いている。先日もNHKの「日本のこれから」と題する討論番組で一般市民も交え、 この問題が話しあわれた。非常に大きなテーマであり、同時に生活に密着したテーマ でもあるだけに、問題点をよく整理してかからないと生産的な話し合いになりにくい と思ったが、懸念が的中してしまった。

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出過ぎた釘

村上ファンドを率いる村上世彰氏は、東京地検特捜部から事情聴取され、ニッポン放 送をめぐるインサイダー取引を認めたことを明らかにした。そして株式市場から身を 引くと語った。ライブドアがニッポン放送を買収したがっていることを知った後も、 ニッポン放送の株を買ったことが証券取引法違反になることを受け入れたという。

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安倍か福田か

ポスト小泉の鍔迫り合いが激しくなっている。世論調査などによれば、安倍晋三現官 房長官か福田康夫元官房長官が有力というのが大方の見方である。もともとは安倍氏 の人気が圧倒的に高かったが、福田氏が急追している形だ。

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医療が良くなった?

内閣府が今年1月から3月にかけて調査した「社会意識に関する世論調査」が発表され た。医療・福祉とか科学技術、治安、国の財政など24の分野をあげ、良い方向にむかっ ているもの、悪い方向に向かっているものをあげてもらう(複数回答可)調査である。 悪い方向に向かっているものの第一位が治安、そして国の財政、外交、雇用・労働条 件、自然環境と続く。そして良い方向に向かっているものは、第一位が何と医療・福 祉。そして科学技術、通信・運輸、景気、国際化となっている。

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「共謀罪」のリスク

今国会の焦点のひとつとなっている「共謀罪」の新設。何かと問題の多い政府案に対 して、与野党の間で修正案を練っているものの、結果的には与党が数の力で押し切る ことになるのかもしれない。与党はこの共謀罪が国際組織犯罪防止条約を受けての法 改正であることを強調して、何とかここで成立させようとしているからだ。しかし野 党との溝はそう簡単には埋まらず、国会終盤に向けて緊張した駆け引きが続くだろう と思う。

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愛国心の危うさ

4月28日、小泉内閣は教育基本法改正案を閣議決定し、国会に提出した。今国会(6 月18日まで)中に成立するかどうかは微妙なところで、一部では7月いっぱいまでの 会期延長が必要とも言われている(今のところ小泉首相は会期延長に否定的だ)。教 育基本法改正は、自民党(とりわけ右派)の「悲願」だ。1990年代後半から、日本全 体が何となく右傾化してきたのも、改正意欲に拍車をかけた。卒業式や入学式での国 家斉唱、国旗掲揚についてさまざまな論議が盛んに行われたころである。

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過剰な警察、過小な警察

今年4月12日、宇都宮地裁でいわゆる「栃木リンチ殺人事件」について、被害者の両 親が栃木県や犯人の元少年たちに損害賠償を求めた事件の判決が下った。柴田秀裁判 長は「被害者の生命、身体に対する危険が切迫していることは認識できた」とし、 「警察官が警察権を行使することによって加害行為の結果を回避することが可能だっ た」と、警察の怠慢と殺人事件の因果関係を認めた。

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原発をどう考える

20年前の4月26日、ウクライナのチェルノブイリ原子力発電所の4号機が爆発炎上した。 そして従業員や鎮火にあたった消防士など31人が犠牲になった。さらに飛散した放射 性物質によって、甲状腺ガンなどで死亡するなどの犠牲者は9300人とされている(た だしグリーンピースは10万人を越えていると主張する)。実際に事故による影響でど れだけの犠牲者が出ているかはわからないが、今でも半径30キロ以内の地域は立ち入 り禁止になっていることは事実だし、広島や長崎の例を見ても今後も犠牲者が出つづ けるのは確かである。

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NHK受信料を義務化する前に

職員のスキャンダルで揺れているNHK。もうカラ出張ぐらいでは国民もびっくりしな くなっているようだ。しかしカラ出張の金額が1000万円を遙かに超えると言われると、 NHKという組織はいったいどうなっているのだろうと思ってしまう。だいたい、カラ 出張を上司が見破れないこと自体が異常である。会長が謝ればすむ問題ではない。

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人工呼吸器を外すのは殺人?

先日、テレビを見ていたら、富山県射水市の外科医師が末期ガンの患者の人口呼吸器を外した「事件」について、特集をしていた。どういう方向で議論するのか枠組みさえはっきりしなかった番組だったが、「厳密に言えば、日本の医師のほとんどが殺人罪に問われる可能性がある」というどこかの大学の先生のコメントには驚いた。まるで日本では、人工呼吸器を外してまわる医師や、筋弛緩剤など死に至らしめる薬剤を注射してまわる医師が徘徊し、患者がどんどん殺されているような言いぐさである。

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医療事故をどう防ぐ

先週、福島県立大野病院の産科専門医が、業務上過失致死と医師法違反の容疑で逮 捕・起訴された事件について書いた。その後、とくに大きな状況変化があったわけで はないが、日本各地の産科医が検察に強く反発している。この事件は過誤ではなく事 故であるという。つまり他の医者がこの患者を手がけても同じことになる可能性が大 きいとする。このようなケースで逮捕されるのだったら、むずかしい患者は扱わない ほうがいいと考える医者も出てくるとも指摘されている。

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医療事故と警察

3月22日、福島県立大野病院の産科専門医が業務上過失致死と医師法(届け出義務)違反の容疑で起訴された。事故が起きたのは、2004年12月、切迫早産の疑いで入院した女性患者の帝王切開の手術中であった。開腹してみると、胎盤をはがすと大量出血の恐れがある「癒着胎盤」であることが判明した。しかし医師がそのまま胎盤を剥離したため、患者が失血死したというのである。

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「外交上の機密」と「外務省の秘密」

最近、目を引く判決があった。一つは2月末に東京地裁の大門匡(だいもんたすく) 裁判長が下した判決。外務省の機密費の文書公開を求めたNPOの請求を外務省が拒否 したことについて、大部分の書類の開示を命じた判決である。

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核保有国の二枚舌

国際関係においては、ダブルスタンダードというのはよくある話。自国の利益を追求 するときには、各国ともかなり平気で二枚舌を使う。いわばゲームのルールを変える ようなものだ。だから大国の得意技である。なぜなら大国は、自分の都合でゲームの ルールを変えるだけの力を持っているからだ。

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民主党の稚拙で危険な論理

「堀江メール」で日本を大騒ぎさせた民主党の永田寿康議員。逃げ込んでいた病院をようやく退院して今日午後、謝罪会見を開いた。そこでは、メールの信憑性を立証することができず迷惑をかけたと謝ったものの、メールそのものが偽物であるとは言わなかった(民主党としては偽物であると断定せざるをえないと明言した)。永田氏本人はまだ未練がある様子がありありとしていた。というより、同僚議員によれば、メールが本物だとまだ信じているそうだ。

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郷に入れば郷に従えと言いますが

「どこの国でもその国なりの法律があり、外国人や外国企業はその法律を守るのが当 然である」

然り、然り。一般論としてこの主張はまったく正当である。だからこそ米軍兵士が日 本国内で罪を犯したときに、起訴されるまでは基地内に収容されるという現在の日米 地位協定に国民が反発する。1957年に起きたジラード事件では、日本の農婦を射殺し た米兵を形の上だけで日本側が裁判したものの、結局は執行猶予がつき、米兵はアメ リカへ帰国した。このような「不平等」は枚挙に暇がないほどあった。

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皇室典範改正、先延ばしの愚

今国会での皇室典範改正案提出は見送られるという。有識者会議の答申に基づくこの 改正案は、これまでの男系男子による皇位継承を、女性そして女系でも可とし、なお かつ男女を問わず長子によって継承するという大幅な改正案であった。それだけに一 部では反発も強かったし、皇族の中からも三笠宮寛仁親王が反対の声をあげた。ただ 一般的には、女性・女系天皇を認めてもいいのではないかという声が多い。昨年、女 性サイトのイー・ウーマンでサーベイしたときも、女性・女系天皇は日本の伝統を破 壊するかという問いかけに対し、80%を越える人がノーと答えている。

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妬みの社会学

今国会では、小泉改革の負の部分にいろいろ焦点があたっている。粉飾疑惑などで逮 捕されたホリエモンを昨年9月の総選挙で自民党が応援したこととか、米国産牛肉が 輸入再開後すぐに特定危険部位を除いていないことが判明したこととか、検査の民間 委託に絡んで耐震偽装が行われたこととか、さらには貧富の格差が広がっていること などである。

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ホリエモンとヘンリー・フォード

ライブドアへの強制捜査について、意見が分かれている。いろいろ悪い噂もあったの だから当然という人もいれば、出た杭を打つ「国策捜査」であり検察ファッショだと いう人もいる。意見が分かれるのは、現在の容疑(投資家に対して虚偽の情報を流し たことと、利益を水増ししたということ)が、これほどの大騒ぎに値するものかどう かについて見方が割れるからである。どちらの見方が正しいかは現時点では何とも言 えないが、世の中が寄ってたかってホリエモンをいじめているような様は、あんまり 美しくない。ついこの間までヒーロー扱いしていたのはどこの誰だったのか、メディ アをはじめ自省が必要だ。

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中国の驚異(脅威)的発展

ちょっと恐ろしくなるような記事を読んだ。2005年の中国での自動車販売台数が592 万台となり、日本を抜いて世界第2位となったという。「この調子で行けば」という 予測はあちこちで目にして、それが実現した試しはない(古くは人口爆発説もそうだっ た。あの「予言」が当たっていれば、いまごろ地球は飢えた人間であふれていたはず だ)が、それでも、中国がこの調子で自動車を保有する人が増えれば、日本を上回る 自動車大国になるのもそう先の話ではない。

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団塊哀歌

前回、人口減少は経済発展にとってマイナスであると書いた。そして読者の方から反 論をいただいた。必ずしもマイナスではなく、それをカバーすることは十分に可能だ というのである。人口が減ると経済は果たしてマイナスの影響を受けるのかどうか、 これはいろいろ議論のあるところなので、またどこかで書こうと思う。今回はその問 題とも絡んで、特定の世代、すなわち私たちの世代の話である。

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2006年は大丈夫だが

株価は将来を見通すという。実際、2006年の日本経済は順調であると言っていい。デ フレからも完全に脱却できるだろうし、賃金も上がるだろうし、消費も伸びて景気を 押し上げるだろう(耐震偽装問題で揺れるマンションの売れ行きはやや心配だが)。 ただ問題は、株価が見通す将来とはどれぐらい先の話なのかということである。

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再び靖国問題

小泉首相が17日に「私人として」普通の国民と同じように靖国神社に参拝した。ポケッ トから小銭を取り出してお賽銭をあげる様は、私人を演出しているようであまりにも わざとらしい。首相の周囲をSPが固め、一般人を排除している人間が「一般人」なの かと嫌みの一つもいいたくなる。そして例によって中国や韓国は反発し、町村外務大 臣の訪中が流れたり、韓国外相の訪日が流れたりした。そして例によって、国内でも 再び論議を呼んでいる。

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自民党は改革政党か?

郵政民営化法案の「仕切り直し」審議が始まった。自民党は今回の総選挙で目玉になっ た新人議員を民主党案への質問にぶつけ、華々しくデビューさせた。テレビ中継を意 識した演出なのだろうが、肝心の中身はどうもピンとこなかった。原稿を読み上げて いるだけという印象が強くて、執行部の振り付けどおりに踊っている感じがしたから である。

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医療費を抑制して大丈夫?

総選挙の大勝で、郵政民営化のめどがたち、次は財政改革というか財政再建がテーマ になる。そこでの目玉は公務員人件費の削減と医療費の抑制だ。医療費については、 10月中旬に厚生労働省の試案が発表されることになっている。国民医療費はだいた い31兆円前後で、国民所得に占める割合で言うと、2002年度で8.5%。景気が低迷し ていたためもあるが、この8.5%という数字は過去最高である。2002年度の場合、医 療費31兆円のうち公費負担分が10兆円、あとは保険料が17兆円弱、患者負担が4 兆6000億円ほどだ。

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NHKよ、どこに行く?

NHKの「新生プラン」なるものが発表された。従業員を1割削減するなどということ には僕はあまり興味がない。それは経営として判断すればいいことで、人を減らし てNHKがよくなるのかどうかは別問題である。たしかに余剰人員を抱えていれば経営 が圧迫されるのははっきりしている。しかしどこまでが余剰でどこからが余剰でない のかは明確ではない。それに何の余裕もない組織は、およそクリエイティブにはなれ ない。これも業界の常識である。しかも今のチャネル数や番組を前提にしているので あれば、そもそもNHKを変えると称する方向が違っているのではないかと思う。

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9・11総選挙、嗚呼勘違い

小泉自民党の勝利は十分に予想できた、というより民主党が敗北することは十分に予 想できたが、これほど大きな地滑りが起こるとは思わなかった。私の周辺でも、普段 は民主党に入れる人が「比例は自民党に入れた」とか「選挙区だけ自民党に入れた」 という人が目立った。普段は選挙に行かないのに、今回は行ったという人もいた。そ れだけ小泉首相に期待した人がいた。それは何かが変わるかもしれないという雰囲気 があったからである。

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続々・9・11選挙の意味

女性向けサイトのイー・ウーマンで、「小泉首相が勝ったら、日本の政治はよくなる と思いますか」という質問でサーベイを行った。結果は、4割弱の人がよくなると答 え、6割強がよくならないと答えた。このサーベイをやってみて驚いたことが二つあ る。ひとつはこの週に設定された6つのテーマの中で、このテーマが1位を占めたこ と。もうひとつは、書き込みをしてきたほとんどの人が、小泉改革について一定の評 価をしていたことである。

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続・9・11選挙の意味

この選挙は、郵政改革であれ何であれ、とにかく日本の改革をめざす選挙である。こ れにはほとんどの人が賛成してくれるだろうと思う。どの政党が改革してくれるのか。 事実上は二つに絞られる。自民党と民主党である。自民党は本来「改革政党」ではな いが、今回は郵政民営化で党内守旧派を切ったおかげで「(郵政)改革政党」になっ た。少なくともそう見えるようになった。そして民主党は、本来、自民党よりははる かに「改革派」であるはずなのだが、郵政民営化の対案を出さなかったために、すっ かり影が薄くなってしまった。しかし年金や少子化ではそれなりに頑張ってはいる。

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9・11選挙の意味

久しぶりに有権者の関心の高い選挙になりそうだ。朝日新聞の調査によると、とくに 自民党支持者の関心が高いという。それは理解しやすい話である。自民党が内閣の出 した法案に関して分裂したための選挙であり、なおかつ反対した議員の選挙区には徹 底して対立候補を立てるというのだから、どちらかというと何でも包含してきた自民 党にしては珍しい展開である。それだけに自民党支持者も戸惑いがあるだろう。今ま での候補者を支持し続けるか、新しい候補者に乗り換えるか、自民党中央は厳しい選 択を迫っているからだ。

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民主党も割れてみたら

この9・11総選挙は、自民党分裂選挙となって、野党民主党にとっては小選挙区で勝 てるチャンスが広がり、ひょっとすると政権を奪えるかもしれない選挙。もちろんそ れは民主党支持者が、今までどおり民主党を支持してくれれば、の話である。ただ民 主党が票を伸ばせるかどうかは、いわゆる「無党派層」をどれぐらい取り込めるかに かかっているのだから、それらの有権者にアピールできなければ、「千載一遇のチャ ンス」も「砂上の楼閣」にすぎなかったということになりかねない。

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小泉流ショータイム

周囲が「まさか」と言っている間に、小泉さんは「公約通り」衆議院を解散してしまっ た。参議院自民党で多数の造反者が出たために、郵政民営化関連法案が否決されたか らである。何もなければ2007年秋まであるはずだった衆議院議員の任期。前回から2 年以内の総選挙は政党にとっても議員にとっても負担が大きい。だから、参議院での 審議と併行して、自民党執行部は「解散」をちらつかせて反対派の抑え込みにかかっ ていた。「自民党が割れるような事態は何としても避けなければいけない」というの が口説き文句である。

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60年目の疑問

第2次世界大戦が終わって60年という節目の年であるため、メディアでは戦争に関す る特集が多い。先日もNHKで8月9日のソ連参戦に関わる特集をやっていた。この8月9 日は、長崎に原爆が投下された日であり、そしてソ連が満州に攻め込んだ日でもある。 日ソ平和中立条約を突然破棄されたこと、そしてソ連が日本に宣戦布告したこと、そ してシベリアに60万人近い人々を抑留し、そのうちの6万人を死なせたこと。そのた め、ソ連に対する日本人の反感は根強い。

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弱小新聞を政府が応援する?

お隣の国、韓国で新聞法が今日から施行された。韓国は大手3紙(朝鮮日報、東亜日 報、中央日報)が圧倒的な力をもっているが、いずれも盧武鉉政権に批判的とあって、 政府としては自由な競争を促すという名目の下に弱小新聞を支援するのだそうだ。こ れを受けて韓国のメディアは二分しているという。むろん大手3紙は猛反対。1紙 で30%か3紙合わせてシェアが60%を超えると支配的事業者と見なされ、政府に対し て事業内容を報告する義務が生まれるばかりでなく、政府の支援が得られなくなる。

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自民党破壊のすすめ

郵政改革の関連法案が参議院で審議されている。参議院は与野党の勢力が拮抗してい るとあって、小泉純一郎首相は、「郵政改革法案がもし否決されたら、それは内閣に 対する不信任と受け止め、衆議院を解散する」とし、しきりに牽制球を投げる。いま 自民党内ではこの総理の「決意」を受けて、「このままでは自民党が壊れる」という 危機感が強まっているようだ。そして、郵政法案に反対を表明している参議院議員へ の締め付けが始まった。

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さすがロンドン警視庁、でも・・・

世界を震撼させたロンドン同時多発テロ。まだ爆破された地下鉄車内で遺体捜索が続 いているというのに、ロンドン警視庁は自爆テロを実行した4人を特定し、彼らが住 んでいた場所を家宅捜索、爆薬などを押収した。さらに事件に関係していると見られ る人物を特定している。さすがに世界の警察が手本とするスコットランドヤードだ。 その捜査力を支えているのは、市内2500カ所に設置された防犯カメラである。

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見習うべし、NYタイムズ記者の潔さ

メディアをめぐるいろいろな問題が多いが、今度はアメリカの一流紙であるニューヨー クタイムズ紙の有名記者が、取材源に関して裁判所で証言するを拒否したために法廷 侮辱罪で収監された。

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変わる株主、変わらぬ会社

毎年この時期には日本の企業社会の「特異日」がある。今年は6月29日だった。3月決算会社の株主総会が集中する日、この日だけで1600社の株主総会が行われたというから、多数の会社の株主である機関投資家などはその事務処理あるいは出席者の確保だけでも大変だと思う。個人株主だと、数社から送られてくる委任状を返送するだけかもしれないが、機関投資家(とりわけアメリカ系)はそうはいかない。議案を検討して株主に有利か不利かを判断し、その上で議決権をきちんと行使するのがファンドを運営する人々の義務であると心得ているからだ。

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続・報道、記者そして責任

今週も引き続き、メディアの話である。最近『ドキュメンタリーは嘘をつく』とい う本を読んだ。森達也さんという映画監督が書いた本である(草思社刊)。森さんの 言わんとしていることを誤解を恐れずにかいつまんでみる。「映像は作り手の主観か ら逃れることができず、無自覚的に映像は事実であるとするのは大変な無知である。 そして主観であるということを知っている作家から優れた作品が生まれてくる」とい うようなことだったろうか。

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報道、記者そして責任

このところ、報道をめぐるいくつかの「事件」が立て続けに起きた。なかでも注目を 集めたのは、あの「ディープスロート」が30年以上の歳月を経てその正体を明かした ことである。ニクソン大統領辞任のきっかけとなったウォーターゲート事件を追及し たのはワシントン・ポスト紙だが、その報道を裏で支えたのが匿名の政府高官「ディー プスロート」だった。名乗り出たのは、当時、FBI(連邦捜査局)副長官だったマー ク・フェルト氏である。この事件は本にもなり、映画にもなった。新聞記者として事 件を追ったボブ・ウッドワード氏とカール・バーンスタイン氏はそれ以来、一躍花形 記者となっている。そしてこの事件以来、調査報道という言葉がジャーナリストたち の在り方として、そして憧れとして定着していく。

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誰のための企業防衛?

3月決算会社の株主総会シーズン。今年の最大の話題は、企業買収に備えるための定 款変更である。今まで日本の企業は企業買収の恐怖にさらされたことはあまりない。 アメリカで乗っ取り屋(コーポレートレイダー)が一大流行していた時代でも、日本 ではT・ブーン・ピケンズが小糸製作所の株を買い占めて話題になった程度である。 しかもその当時は、株を買い占めて高値で買い取らせるというケースがほとんどだか ら、いわば「カネで片が付く」時代だったのである。ところが時代は変わってきた。 ライブドアという企業社会のエスタブリッシュメントにはほとんど馴染みのない会社 が、フジサンケイグループというメディアの大企業に買収を仕掛けた。そしてフジ側 はいちおう防戦に成功したが、400億円という出資金を「人質」に取られた形になっ た。どのような会社でも安泰ではないということになって、いま企業経営者は防衛の ための手段を定款で定めようとしているわけだ。

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民主党の右往左往

郵政改革法案をめぐって審議をすべて拒否という強硬姿勢を取っていた民主党と社民 党が審議に戻ることにしたのだという。審議拒否について国民の支持が得られず、何 とか失地を挽回しないと東京都議選を戦えないという声があがってきたと報じられて いる。もともと民主党は審議拒否を「積極的」戦術として採用していたわけではない。 郵政改革について民主党なりの「対案」を示すことができないため、やむをえず、修 正を前提とした欠陥法案であると「手続き論」を持ち出したにすぎない。

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未だに残る20世紀の残滓

鋼鉄製橋梁をめぐる大型談合事件が摘発された。東京高等検察庁は受注を取り仕切っ た10人ほどを立件する方向で捜査を詰めているという。ある業界関係者は、「不当な 利益をあげているわけではなく、生き残るために仕方がなかった」というコメントを 残している。

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どうしてそんなに居丈高?

4月に中国のあちらこちらで発生した反日デモ。そのきっかけは日本の国連常任理事 国入り問題や領土権、台湾をめぐる発言だったが、「反日」の根底には小泉首相の靖 国参拝があることは明らかである。だから、小泉首相が今年も参拝するのかどうかが いやでも注目される。国会でそのことを質問されて、小泉首相は持論を繰り返した。 「戦争で命を落とした人を慰霊する仕方について他国が口をはさむべきではない」

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JR西日本の「勘違い」

最も安全な乗り物の一つである鉄道で大きな事故が起きた。107人もの人が亡くなっ たJR西日本福知山線の脱線転覆事故である。この悲惨な事故がなぜ起きたのか、現在 事故調査委員会で原因を究明している最中だが、制限速度を大幅に上回る速度でカー ブに進入したことが直接的な原因であることはほぼ間違いないとされている。なぜ高 見運転士は、制限速度70キロのところに時速108キロで突っ込んでいったのか。本人 も亡くなっているから、その理由を確定することはむずかしいだろうと思う。しかし この事故の根本原因は、運転士の行動そのものにはない。むしろ安全に関するJR西日 本の考え方そのものにある。

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民主党解体のすすめ

4月24日、衆議院の補欠選挙があった。福岡2区と宮城2区である。どちらも前回の 衆院選で民主党が奪った議席だった。それが学歴詐称やら選挙違反で議員辞職に追い 込まれてしまった。その意味では民主党の苦戦は当然予想されたことではあったが、 それでもこうもあっさりと負けてしまうと、政権を奪取すると意気込んだあの勢いは どこへいってしまったのかと思う。

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首相の靖国参拝は止めるべき

中国の反日デモがなかなか収束の兆しを見せない。現地に進出している日本企業や 中国に住む日本人の人たちはさぞかし不安に思っているだろう。日本政府もどうソフ トランディングさせるか、気を揉んでいると思う。そしておそらくいちばんイライラ しているのは中国政府だ。3週連続で続いている反日デモがさらに続くようだと、ま さに政府の統治能力が疑われる。3年後には北京オリンピック、そして5年後には上 海万博と控えているだけに、イメージダウンは絶対に避けたいところだ。かといって、 「愛国無罪」を叫ぶ若者を弾圧したりすれば、デモはますます手がつけられなくなる だろう。

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反日運動をどう受け止める?

「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書が検定に合格してからというもの、韓国 や中国で一段と反日運動が強まっている。中国との間では、歴史認識の問題をはじめ、 尖閣諸島の領有権問題やら中国原子力潜水艦の領海侵犯、それに小泉首相の靖国参拝 問題とさまざまな問題がある。韓国との間には、靖国参拝問題はもちろん竹島の領有 権問題、それに一連の歴史認識問題がある。

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60年たっても戦後が終わらない

今年は第2次対戦で日本が負けて60年目。半世紀を10年も超えているというのに、 まだわれわれは戦争や戦後の呪縛にとらわれているのだろうか。いまだに歴史教科書 の検定が出るたびに、国内はもとより中国や韓国からクレームがつく。竹島(韓国名 独島)の領有権をめぐっては韓国で反日気運が一段と盛り上がった(昨年のいわゆる 韓流ブームで日韓の距離が一気に縮まったと思っていた日本人は戸惑うばかりだ)。 中国では国連安全保障理事会常任理事国入りのねらう日本に対して反発が高まってい る。日系企業の店が壊されたり、商品がボイコットされたりと、やや暴走ぎみだ。小 泉首相の靖国参拝からずっと「政冷経熱」という状態になっていたが、とうとう経済 まで冷え込むのだろうか。

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