バイオエタノールのエコ度
何だか急にバイオエタノールがブームになっています。
アメリカではトウモロコシの作付け面積が増え、
またエタノールの加工する工場も新設されているといいます。
しかしこれが本当に温暖化ガス削減に役立つのかどうか、
その検証は必ずしも十分ではないようです。
トウモロコシを育て、加工するエネルギーを考えると、
それほどクリーンなエネルギーではないというのです。
もともとアメリカがガソリンの消費量を減らすというのは、
アメリカをエコに優しい国にするというより、
エネルギー安全保障の考え方が強かったと思います。
それにブッシュ大統領は、昨年11月の中間選挙で負けたために、
民主党に少し歩み寄る姿勢を見せておくという思惑もあったはずです。
それがバイオエタノールという形で出てきたのですが、
本来の温暖化ガス削減については、
相変わらず「数値目標は拒否」と頑なです。
2012年までの京都議定書の後継枠組みに向けて動きが活発ですが、
どんな枠組みができるにせよ、
世界最大の排出国であるアメリカが自己中心的な行動を取れば、
実効性のある規制はできません。
安倍首相は「美しい国」として2050年までの削減目標を打ち出しました。
その枠組みにアメリカ、EU、中国といった主要排出国をどう参加させるのか、
そこをクリアできないと絵に描いた餅になります。
(Copyrights 2007 Masayoshi Fujita 無断転訳載を禁じます)
トラックバック
コメント
この記事へのコメントは終了しました。