タイムオーバー

堀江メール爆弾発言で「自爆」してしまった民主党の永田寿康議員。ご本人は入院中とのことだが、彼をどう処遇するかで民主党は機能麻痺の状態に陥っているように見える。そうこうしているうちに、時間切れとなって、民主党は当分の間、立ち直れないような打撃を受けることになるだろう。

長期にわたって政権の座にある自民党に対抗するためには、民主党でしかできないことをアピールすることが必要だ。イデオロギー対立の時代だったら、「左翼」であることが看板になったが、今はそうはいかない(要するに社会主義では成り立たないことがソ連の崩壊で示されてしまったからである)。

そうすると民主党の場合、リベラリズムということになるのだろうが、これも世界的にはなかなか苦しい立場なのである。「セーフティネット」を強調し「大きな政府」になりがちだからだ。

そうなると民主党の売り物は、革新性、クリーン、スピーディといったキーワードになるのだろうが、このことはダメージコントロールにも当てはまると思う。つまり危機に瀕したときに、自民党のようにぐずぐずせず、事態をきちんと説明して、さっさと「撤退」すべきなのだと思う。情報の小出し、決定の先延ばしがいちばんよくないことは、スキャンダルや事故を起こした起業の対応を見ていてもわかりそうなものだ。

しかも今度の一件は、民主党側が仕掛けて民主党が勝手に転んだもの。仕掛けそのものがきわめて貧弱な根拠だったわけだから、新たな根拠がない限り「巨悪」にこだわるべきではない(そもそも巨悪がありそうだと国民に思わせるだけのものが提示されていない)。

一日先延ばしするごとに、1ポイントずつ支持率が低下すると思ったほうがいい。しかもこの失われた支持率は、たとえ執行部が代わってもそう簡単に戻ってこないのである。

(Copyrights 2006 Masayoshi Fujita 無断転訳載を禁じます)

トラックバック


コメント

この記事へのコメントは終了しました。

ページトップへ