3000万円メールの教訓

民主党の永田寿康議員。明日火曜日に民主党執行部と共に謝罪会見をするという。この問題、もちろん永田議員は責めを負うべきである。不確かな証拠というだけでなく、もし問題のメールの差出人と受取人が同じ名前であったことを知っていたなら、どうしてそれが堀江氏が出したメールだと断言したのか。初めから偽造メールと知っていて、自民党に揺さぶりをかければ、後から情報がついてくると判断したのか。

不確かな証拠というだけではない。問題のメールは差出人と受取人が同じ名前であったと言われている。それならばどうして堀江氏が出したメールだと断言したのか。初めから偽造メールと知っていたが、後から情報がついてくることを期待して、自民党に揺さぶりをかけることを優先したのだろうか。

そして前原代表は、メールの真偽そのものよりも「巨悪を追及する」と叫んできた。口座番号のことを言っているのかもしれないが、それが巨悪とどういうつながりなのかを明らかにすることがなければ国民を説得することはできない。不確かな証拠に基づいて、他人を追及し、しかもメールの真偽はそれほど問題ではないというような発言をしたことについて、前原代表は国民に説明しなければなるまい。

どう説明しても、民主党に対する信頼は大きく傷つくことになる。二大政党制に向けて動き出したかに見えた日本の政治を、逆戻りさせてしまったかのような民主党の振る舞いは、厳しく糾弾されて然るべきである。

そして最も問題なのは、民主党に危機管理能力がまったくないことだ。危機管理とは、その場面でいかにダメージをコントロールするかということである。今回の場合、メールに続く二の矢、三の矢をはなてないということが判明した段階で、いかに撤退するかに焦点を絞る必要があった。しかし前原代表をはじめ、民主党はメールは本物であり、しかも他に口座情報があって、国政調査権の発動に同意するならそうした情報を出すと叫んだ。

そして前原代表は「やましいところがなければ調査させればいい」と言い放ち、自ら墓穴を掘ってしまったのである。すなわちそれ以上、追及する手だてが自分たちにないことを言外に明らかにしてしまった。これで名誉ある負け戦を戦うチャンスはなくなり、潰走することになった。16日のメール公表からすでに10日以上経ってから謝罪会見して、辞職や辞任なしにすませようとすること自体、もはや国民を納得させることはできない。ここは潔さだけしか民主党を救う道はない。

(Copyrights 2006 Masayoshi Fujita 無断転訳載を禁じます)

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