変人宰相と「ねじれ」
大勝してニンマリの小泉首相。来年の自民党総裁任期いっぱいどころか、続投論が早くも出てくる始末。つまりは小泉さんでなければ勝てないから、総裁の再選禁止規則を曲げても、もっとやってもらいたいということだ。公明党まで悪のりして「国民が期待しているのだから首相としてそれにこたえるべきだ」とか言っている。
しかし考えてもみるがいい。どこの世界に政権を担当している政党(それも実質半世紀以上)が改革を唱え、野党が改革反対を唱える国があるだろうか。普通は「保革」という場合、政権党が保守で野党が改革だ。なぜなら政権党は現在の世の中をつくってきたのは自分たちなのだから、改革というのはだいたい矛盾する話。しっかり自己批判をしてもらってからでないと、信用できない。
もちろん民主党は「改革反対」を唱えたわけではないと主張するだろう。ただ郵政民営化では、民主党の腰が引けたように見えたのは事実。その時点で民主党の敗北は決定づけられたのである。政権党が改革を唱えているときには、野党はそれを上回る改革を唱えなければならない。現状がいいとは誰も思っていないのだからなおさらである。憲法9条のような場合は別だ。「9条を守る」と言っても、それが守旧派だとは思われない。9条に満足している人が多いからである。
民主党は選挙の恐ろしさをたっぷりと味わっただろうと思う。これで新人の候補者が発掘しにくくなるのは間違いない。誰だって負ける政党からは出たくない。岡田さんの次が誰になるのかわからないが(自民党と同様に後継者不足なのである)、誰がなっても課題は一つ。本当に日本を変えるということはどういうことなのか、そこをしっかりと描くことだ。
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