なぜ60年前、日本は敗れたのか

永野護氏の『敗戦真相記』を読んだ。2002年の発行で再版されたとは書いてないから、そんなに売れているわけではなさそうだ。寡聞にして、この本があることを知らなかった。本屋でたまたま見かけて購入した。内容は、タイトル通り、なぜ日本が先の大戦に負けたのかが書かれている(実際には講演をまとめたもの)。もともとは雑誌『自由国民』に掲載された。それを単行本として復活させたものであるようだ。

驚くべきは、この講演が昭和20年9月に行われたものだということである。一読すればわかることだが、敗因の分析は相当によく練られている。つまり戦争中から、ここに書かれているようなことが、一部では公然の事実として語られていたということを意味する。

大東亜共栄圏という思想の欺瞞性、当時の日本の科学的水準の低さ、陸軍と海軍のあまりにも馬鹿げたケンカ、ポツダム宣言に調印した4カ国の対日戦略、などなど。それだけわかっているのなら、なぜ軍部の暴走を止められなかったのかと思うが、それについても永野氏は答えを用意している。当時の日本人が無気力であったからだ、というのがその答えだ。

戦争についての見方はさまざまあると思うが、時代の証言の一つである本書を読むのは、多くの議論をするより説得力があるだろう。読んで損をしない本だと思う。

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コメント

最近zaurusの購入を考え出して、このブログにたどり着いたわけですが、思わぬ収穫というかいい本の存在を知ることが出来ました。
ありがとうございます。
自分の未来を考えた時、社会の行き先を見る羅針盤が自分の中にない事に気付き、歴史を検証しなければと危機感を感じています。
今回の選挙も票を投じたあと、この選択が果たしてよかったのか最近特に疑問に感じています。
もっとひろい視野で社会観、世界観を身につけたい。
そんな自分に小さいPC、zaurusが情報収集の役立つツールになるのかなと思っています。
3ヶ月間ご苦労様でした。

永野護氏の『敗戦真相記』は未読である。
ただ、本コラム「なぜ60年前、日本は敗れた
のか」の答えは次である。「日清~日露~第
1次世界大戦」と日本が「勝ち組」であった
から。
「平家物語」ではないが、「盛者必衰」の原
則。勝ち組は次の時代の負け組。また、その
逆も真なりで、日本やドイツの第2次大戦敗
北後の繁栄は著しい! 
 となると、第2次大戦最大勝利国のアメリ
カは21世紀中に見る影もなく没落する筈な
のだが、それは如何か?
 日本に関していえば「敗戦」を「終戦」と
やわらげてしまう国民性の良し悪しがどうで
るか? 「戦争責任」といえば、ぼやけてし
まうが「敗戦責任」となればはっきりする。
ただ、この明確さを日本人が良しとするかど
うか・・・!?

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