民主党躍進は現実? 幻想?

7月3日の都議選で民主党が躍進した。目標30議席を5議席も上回って、都議会第2党になった。この都議選は来るべき総選挙に向けての中間選挙という位置づけだから、民主党の幹部は喜んだだろうと思う。先日行われた衆議院補欠選挙での2連敗を受け、岡田代表では戦えないという批判が党内で高まっていたからである。第2党に躍進したことで、形の上では2大政党制に近づいているようにも見える。しかしこの選挙の争点は何だったのだろう。

争点がピンぼけだったことは過去2番目という投票率の低さに表れていると思う。小泉旋風はもはやなく、郵政改革をめぐって党内が割れ、将来の増税が浮かび上がる中での選挙という自民党にとってどちらかといえば逆風選挙だったように見える。民主党にとっては、敵失であるから議席が伸びるのは当然といっていいのかもしれない。

そうすると民主党執行部が考えなければいけないのは、昨年の参院選の勢いがあるという総括ではなく、敵失ではなく、味方の打撃で得点をするにはどうしたらいいのかということである。はっきり言えば、民主党が政権を取ったら世の中がどう変わるのかというビジョンをはっきり示すことなのだろう。

とはいえ、世界的にリベラリズムは厳しい状況に置かれている。一つは財政が厳しいということから、従来のリベラルな政策を継続することはむずかしくなっていること。さらに少子高齢化という流れがあるために、「高負担」には耐えられないという世論が形成されつつあること。もう一つ言うと、軍事とか防衛とか、リベラルが苦手な分野での問題が増えているために、リベラルの存在感が薄れていること。こうした理由から、リベラリズムの意義が問われている。

民主党は、その存在感を強調できないままに、自民党の状況によって増えたり減ったりする鏡みたいな存在になりつつあると思う。そのレベルを脱却しない限り、実は2大政党制にはならないだろうし、なってもかつての55年体制とあんまり変わらないのではないだろうか。基本的に21世紀はリベラリズムには厳しい時代であるという認識を持ってもらいたいと思う。

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コメント

郵政改革でのもたつきや増税など自民党にとって逆風の中でこの程度の議席の伸びは躍進とはいえない。むしろ石原都政に対し何も示しえていないと見えてやはりこの程度の政党かと落胆しています。しかし2大政党制への流れは加速するだろうし民主党は現実的な政策を示せる大人の党に進化しないとこの国にとって不幸なことになる。

2大政党制への流れってそんなに確かなんでしょうか。アメリカあたりでは民主党は手詰まりになっていて、ブッシュが打ち出す政策に対応できていないと聞きました。民主党らしい政策とは何かという概念が薄れている(その原因はおそらく財政問題だと思います)ために、対案を出そうとか、民主党のカラーを出そうとしてもできないところに根本的な問題があるのではないかと思います。リベラリズムの死という言葉がどうも現実的になっているのではないでしょうか。だとすると、民主党の躍進はやっぱり幻想なのかもしれません。政治的に言えば、まったく困ったことだと思います。

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